2018 ポイヤック・ド・ラトゥール


Pauillac de Latour

ラトゥールに比べ生産量が少ない稀少ワイン。卓越したワイン造りから生み出された、並外れた出来栄えのサードワイン。
 
外観は鮮やかなルビーの色調。ブラックベリーやブラックチェリー、カシスの濃密な果実のアロマとスミレの花の風味が溢れ出します。スパイスやスギ、タバコのニュアンスを纏い、すでに非常に複雑な香り。口当たりはしっかりとしていて、豊かな果実味と柔らかく緻密なタンニンに魅了されます。ジェームス・サックリングは「ジューシーでとても美味しい」とコメント。さらにデキャンタでは「個性とフィネスを兼備している。芳醇な果実味にバランスと深みを感じる」と絶賛されています。
 

ヴィンテージ情報

2018年のボルドー地方は、異例ずくめのヴィンテージでした。春の長雨により一部のシャトーではべと病が広がった一方で、夏から収穫期にかけては温暖な気候と好天に恵まれ、ブドウは凝縮度を高めました。決して容易ではない気候でしたが、最新鋭の技術と人が集結したボルドーならでの人智と、恵まれたテロワールが掛け合わされた結果、2018年は多くのシャトーにとって品質の優れたグレートヴィンテージとなりました。

ヴィンテージ 2018
原産国 フランス
産地 ボルドー
地域 メドック
アペラシオン ポイヤック
格付 サードワイン
生産者 シャトー・ラトゥール
容量 750ml
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニョン57%、メルロー31%、プティ・ヴェルド12%
味わい フルボディ
アルコール度数 13.0%
ジェームスサックリング  94

名実共に世界最高峰に君臨する偉大なワイン、ラトゥール。そして、そのセカンドワインであるレ・フォール・ド・ラトゥールも、品質、価格、さらに市場への流通量で見ても、すでにセカンドワインの域を超えた存在であると言えます。そんな中、サードワインであるポイヤック・ド・ラトゥールに世界の熱い視線が注がれるのも必然のこと。こちらもまた、サードワインとは思えない並外れた出来栄えであり、間違いなく一流のワインであることは疑いようがありません。
 
ポイヤック・ド・ラトゥールは、1989年に初めてリリースされて以来、若樹やセレクト外のブドウを用いたワインのため生産量は毎年ごく僅か。造られるのはファーストワインよりかなり少なく、サードワインといってもその稀少性は非常に高いのです。それに対して世界中のラトゥールファン、ボルドーワインラヴァーの需要が大きく、今でも入手困難なワインであることに変わりはありません。
 
その味わいは、ピュアで凝縮した果実味の中に、どこか親しみやすく軽やかなタッチがあるのが特徴。ファースト、セカンドに比べるとメルロの比率が高いため、しなやかなタンニンと酸味のバランスが良く、早いうちから華やかなアロマと果実の旨味が溢れます。それと同時にポイヤックらしい重厚感と骨格、上質な雰囲気もしっかりと感じさせてくれるのです。こちらはまさに、シャトー・ラトゥールのワインのエッセンスを手の届く価格で楽しむことのできるワイン。世界中のワインラヴァーを魅了する、シャトー・ラトゥールの卓越したワイン造りだからこそ生まれた類稀なる出来栄えです。
 

 

シャトー・ラトゥールの畑は、大きく3つに分かれています。1つ目は、ジロンド川沿いの最も暖かく、シャトーを取り囲むようにして広がる「ランクロ」と呼ばれる特別な区画。ここではファーストワインに使用するブドウが栽培されています。
 
2つ目は、セカンドワインのレ・フォール・ド・ラトゥールのブドウが栽培される、ランクロよりも内陸の「コンテス・ド・ラランド」「プティ・バタイエ」「サンタンヌ」の3区画。いずれも100年以上前からラトゥールの畑であった区画であり、樹齢も平均で40年程度と十分に高い大変優れた区画です。
 
そして3つ目は、最も内陸で砂利を多く含んだ土壌であり、メルロの比率が一番高い区画。ポイヤック・ド・ラトゥールは主に、この3つ目の区画から収穫されるブドウで造られます。実はポイヤック・ド・ラトゥールには、ファーストワイン、セカンドワインのために栽培された1つ目、2つ目の区画のブドウも含まれているのが大きな特徴です。
 
ラトゥールでは、一般的な畝や区画ごとの管理ではなく、ブドウの樹1本1本ごとに管理を行っており、それらのブドウは別々に収穫、醸造。熟成を経てブレンドが決定されていく過程で、若樹のキュヴェや規定に満たないキュヴェはセレクトから外され、それらは全てポイヤック・ド・ラトゥールに使用されているのです。つまり、ポイヤック・ド・ラトゥールは、ラトゥール、レ・フォール・ド・ラトゥールと同じ畑で造られ、それらとまったく同じ手間暇をかけ育てられたブドウを使用した、特別なサードワインなのです。