2015 シャトー・ラトゥール


Chateau Latour

The 2015 Latour, which was bottled in July 2017, has an immediately impactful bouquet with intense black fruit laced with subtle notes of seaweed and sea spray, as if a little of the Gironde estuary imparts its character into the aromatics. It is extremely well defined and very focused, that slate-like note replaced by a subtle mintiness. The palate is silky smooth on the entry that almost betrays the depth and volume of this Latour. This is a voluminous, multifaceted Latour rather than a powerful one, layers of black fruit infused with graphite and cedar that leads to a very long finish. It will require a decade in bottle before it enters its drinking plateau although there is a sense of approachability that I suspect will deceive some into broaching this too early. Anticipated maturity: 2025 - 2065.
Neal Martin, March 2018

ヴィンテージ 2015
原産国 フランス
産地 ボルドー
地域 メドック
アペラシオン ポイヤック
格付 第一級
生産者 シャトー・ラトゥール
容量 750ml
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニョン97.1%、メルロー2.6%、プティ・ヴェルド0.3%
味わい フルボディ
アルコール度数 13.0%
ワインアドヴォケイト  98
ジェームスサックリング  98

男性的なワインの象徴

 14世紀、ボルドー地方がイギリス領だった時代、このシャトーの場所にはフランス軍を監視するためのイギリスの要塞がありました。この要塞が「ラトゥール(フランス語で「塔」の意)」です。ジャンヌ・ダルクで有名な百年戦争によってこの塔は崩壊され、シャトーも崩壊してしまいました。しかし、ラトゥールの復興を願うボルドーの人々の熱意により、シャトーは回復しました。
 「女性的な」と形容されるマルゴー、ラフィットに対し、重厚丹精で力強い味は、男性的なワインの象徴である、とされています。また、いかなるヴィンテージにおいても素晴らしい品質を保つワインとしても有名です。
 

 
 1998年にフレデリック・アンジェラ氏が社長に就任後、約3年の時間をかけ、醸造蔵、熟成庫、ストックスペースの全改築を行うなど、様々な改革を実施。2010年には、グランヴァンを生み出すランクロの畑をビオディナミに転換し、2016年からは所有畑全体をオーガニックに転換。2018年には格付け一級シャトーで初めてエコセールのビオロジック認証を獲得し、一層緻密なブドウ栽培を実現させています。また、2011年ヴィンテージを最後に、「最高のブレンドを追求する」こと、「最高の飲み頃で味わってほしい」ことなどの理由から、ボルドーの多くの一流シャトーが行っているプリムール販売から撤退。これらの取り組みが象徴するように、シャトー・ラトゥールは、アンジェラ氏の完璧なまでの品質主義により、常に最高品質を追い求めています。
 
 シャトー・ラトゥールは2012年以降プリムール販売から撤退することを発表。その理由は、ラトゥールの完璧なまでの品質主義によるもので、大きく2つが挙げられます。1つ目は「最高のブレンドを追求する」ということ。プリムールは、収穫の翌年にテイスティング出来る状態にしなければいけませんが、彼らは個々の区画ごとにワインを仕立て、樽熟成が完了した後に、最適なキュヴェを選びブレンドを決定したいという意向がありました。2つ目は「最高の飲み頃で味わってほしい」ということ。ボルドーワインの最新ヴィンテージは、収穫年の約3年後に一斉にリリース。しかし飲み頃に入った本当のラトゥールのワインを楽しんでもらうため、シャトー側がワインをリリースする時期をコントロールすることにしたのです。このような理由から、プリムール撤退を決定。今後、ますます入手困難なワインとなることは必至でしょう。