Clos de Tart

クロ・ド・タール

フランス:ブルゴーニュ
モレ・サン・ドニに位置する偉大なグラン・クリュ、クロ・ド・タール。約900年にも及ぶ歴史のなかで、広大な畑にも関わらず一切の分割なく受け継がれてきたモノポール(単独所有畑)です。恵まれた日照条件、そして一貫した土壌と品質管理により素晴らしいワインを生み出し続け、グラン・クリュの中でも圧倒的な存在感を放っています。
 

 
シトー修道会から派生したベネディクト派のタール修道院が単独所有を開始し、クロ・ド・タール=タール修道院の畑という名の由来にもなりました。1891年、フランス革命によってタール修道院から没収されることになった畑はマレイ・モンジュ家が所有し、1932年からモメサン家が85年もの間、単独所有していました。そして2018年からはシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏一族がオーナーとなっています。
 
クロ・ド・タールは、7.53haというグラン・クリュとしてはかなり広大とも言える面積の畑にも関わらず、一度も分割がされたことがありません。かの有名なロマネ・コンティやラ・ターシュですら過去に分割された歴史があるのに対し、クロ・ド・タールはこの広大な畑はこれまでずっと単独所有されており、一貫して土壌と品質の管理が行われ続けているのが最大の特徴。現在は、フランソワ・ピノー一族の徹底した管理の下、グラン・クリュの中でも特に抜きんでた存在として確固たる地位を築いています。
Rouge
2019 クロ・ド・タール
¥129,000  品切中
2018 クロ・ド・タール
¥88,000
2017 クロ・ド・タール
¥88,000  品切中
 

 
クロ・ド・タールの畑では、ブドウが斜面に対し垂直になるように南北に植樹されており、遺伝子の違う株に穂木をして苗を育てるマサル・セレクションを採用。2015年からはオーガニック農法を導入し、2016年からビオディナミ農法を採用。2020年にはビオディヴァンよりビオディナミ認証を取得しました。
 
ブドウは、細分化された16の区画それぞれに適切なタイミングで収穫。果梗の質や成熟度に応じて除梗の範囲を決め、区画ごとのブドウに合った別々の方法でワインへと仕立てられています。また、2019年ヴィンテージからボルドー大学との共同研究で、土壌や穂木、仕立て方などをふまえて新しい区画マップを作成。各区画の特性をより表現するために、このマップをもとに全房比率の研究が行われています。
 
発酵・醸造においては、テロワールの多様性や複雑性を表現するべく区画ごとに実施しています。また2019年から新しく設立された醸造施設でワイン造りを行っており、以前使用していた古いステンレスタンクの代わりに、異なるサイズの木製発酵槽を設置。発酵槽は40hlから20hlまで小型のものを揃えています。熟成においては、樽の影響を抑えるために新樽での熟成を2018年は80%、2019年は65%というように比率を下げ、全房発酵の比率を上げて、抽出は穏やかで軽くルモンタージュするなど、より緻密なワイン造りを追求し続けています。
 

 
こうした新たな取り組みによって、近年目覚ましい品質向上を遂げているクロ・ド・タール。それを証明するかのように、2016年ヴィンテージをリリースした際には、ワイン・アドヴォケイトにおいて「10年前のクロ・ド・タールよりも、香りはニュアンスに富み、味わいに新鮮さが増している。テロワールの表現が、さらに高いレベルに達している。」と高く評価されています。
 
品質へのこだわりから飽くなき追求のもと生み出されるクロ・ド・タールのワインは、素晴らしいテロワールから引き出される濃厚な果実味、そしてそれを包み込む繊細なタンニンが魅力。圧倒的な凝縮感、余韻、ストラクチャー、複雑味など、偉大なグラン・クリュとはなんたるものかというべき要素が備わっています。