Chateau Lafite Rothschild

シャトー・ラフィット・ロートシルト

フランス:ボルドー メドック第一級(ポイヤック村)

 

世界最高峰、エレガンスを極めた“比類ない”ワイン

 1855年の公式格付けでグラン・クリュ第1級の筆頭にランクされたのがシャトー・ラフィットでした。以来、新しい格付けの試みも幾度か行われはしたものの、シャトー・ラフィット・ロートシルトの王座は一度として揺らいだことはありません。ラフィットがその評価を確立したのは18世紀。ニコラ・アレクサンドル・セギュール侯爵所有の時代でした。侯爵は、土地の微妙な違いをすべて考慮に入れた上で、その領地を本格的にいくつかの大規模なシャトーに分割し所有した最初の人で、“ぶどう園の王子”と呼ばれました。この方法は18世紀、19世紀を通じて踏襲されていき、ボルドーの多くの有力シャトーが創設されたきっかけとなりました。 

 この時代にラフィットは、ルイ15世の寵妃・ポンパドール夫人の晩餐会に欠かせないワインとして有名になり、これを飲むことはフランス貴族のステイタスシンボルとさえ言われました。さらに、英国貴族も好むところとなりワインの愛好家として知られるイギリス首相サー ロバート・ウォルポールは3ヶ月ごとに1樽(約300本)を空けたと言われています。その後、ラフィットは幾多の変遷を経て競売に付されることになり、1868年、現在のロスチャイルド家が落札し所有者となりました。「シャトー ラフィット・ロートシルト」の誕生です。ロスチャイルド家は、1975年以降、フランスのワイン醸造技術の第一人者ペイノー博士をコンサルタントに迎えるなど、このシャトーの歴史と伝統にあまんじることなく、ブドウ園とそのワインにさらに磨きをかけ続けています。  

 

 
2020
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥117,000
2019
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥135,000  品切中
2018
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥95,000  品切中
2017
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥95,000  品切中
2016
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥101,000  品切中
2015
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥99,000 品切中
2014
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥69,200 品切中
2013
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥69,200 品切中
2012
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥66,000 品切中
2010
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥152,000 品切中
2009
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥181,000 品切中
2005
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥165,000 品切中
2004
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥89,000 品切中
2000
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥138,000 品切中
1999
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥109,000 品切中
1990
シャトー・ラフィット・ロートシルト
¥99,000 品切中

 

2015
カリュアド・ド・ラフィット
¥24,900 品切中
2013
カリュアド・ド・ラフィット
¥20,800 品切中
2010
カリュアド・ド・ラフィット
¥21,600 品切中

 


 

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 ボルドーで最も有名なシャトーでありワインのラフィット・ロートシルトは、エレガントで小ぶりでシンプルなラベルとともに、その名は富や格式、歴史、敬意、そして特筆に値する長寿の代名詞となっている。
 しかし、1975年以降は毎年最高級のラフィットを生み出しているものの、1961年から1974年までの成績は、一級シャトーとしては驚くほど凡庸だった。あの頃のラフィットをテイスティングしたワイン評論家たちがなぜもっと異を唱えなかったのか、あまだに謎である。シャトーの公式発表は決まって「当時は軽くてエレガントなスタイルだったため、ブラインド・テイスティングでは、もっと大柄でたくましいワインに負けたのだ」なのだが、そういう事情があったのは認めるにしても、である。ラフィットの凡庸さは1971年、1970年、1966年、1961年、1949年、1945年といった優良なヴィンテージにおいて際立っていた。驚くほど色がなく、適度にドライで、オークの樽香が過剰で、異常に酸が強かったのである。それどころか、1974年、1971年、1969年などは、まったくの失敗作であるのに、ラフィットの名をつけて高値で出荷された。

こうした事態が生じた理由をロートシルト家が明かすことはあるまいが、1975年以降は成功するようになったのだから、1960年代から1970年代前半にかけての問題は次のようなものだったのだろう。第一は、オーナーの不在だ。当時オーナーはパリに住んでいたのでたまにしか監督にやって来なかったのだが、1975年以降は熱心でこだわりのあるエリック・ド・ロートシルトのおかげで確かにラフィットの運営陣は勤勉になった。第二に、ラフィットのワインは樽熟成が長すぎた。昔は往々にして最低でも32~36ヶ月は熟成させていたのだが、現在では最長でも20~30ヶ月である。この変更のおかげでフルーティさや新鮮さが増したのは間違いない。第三に、現在の醸造スタッフのほうが、意識的にブドウの収穫を遅らせ、より熟したブドウから、より酸の弱いワインをつくろうとしている。選別プロセスが以前よりも厳しくなったのは間違いない。1980年代後半の豊作年では毎回収穫の半分を除去していたし、1990年以降はなんと収穫の60%以上を除外することも珍しいことだはなくなった。除去したワインはバルク売りしたり、セカンド用に格下げしている。最後に、ラフィット・ロートシルトは、瓶詰めにかける期間が短くなってきている。根拠のない報告ではあったものの、以前から言われてきたように「ラフィットは瓶詰めにだらだらと8~12ヶ月もかけることが多い」というのが本当なら、許容範囲を超えるほどのボトル・バリエーションが生じていたことだろう。今日では、すでてのワインが2~3週間で瓶詰めされている。

 一昔前までの経緯はさておき、ラフィット・ロートシルトはいまや心動かされるワインを生み出している。品質の変化が明確になったのは1975年だが、シャルル・シュヴァリエが招集された1990年代半ばにはその変化がさらに顕著なものとなった。1981年以降のラフィット・ロートシルトは、2001年、2000年、1999年、1998年、1997年、1996年、1995年、1990年、1988年、1987年、1986年、1983年、1982年、1981年のような年に、メドックで最良のワインを産してきたと言ってもよいかもしれない。
 
~一般的な評価~
 ラフィットのワインは1974年までは概して凡庸だったが、1975年から1990年代の初頭にかけて大幅に改善され、1994年以降は最上のボルドーの仲間入りをしている。事実、今日ではボルドーの最も偉大なワインの1つと考えられている。フィネスと力強さが見事に融和したワインなのである。私自身を含めて、評論家たちはこのポジティブな傾向を賞賛してきたわけだが、忘れてはならない。このシャトーは単にその神秘的な地位と、市場における価格に恥じない生き方をしていることだけのことである。ラフィット、それも特により最近のヴィンテージのものを買えば卓越したワインを手にできることは確実だし、与えられる限り最上の味わいを経験できるものと期待できるが、価格が価格でけにこのワインに手が届くのは最富裕層のみである。お値打ち品を探している人はほかのワインに関心を向けたほうがよいだろう。もっとも、このシャトーのセカンド・ワイン、カリュアード・ラフィットの、とりわけ1990年代半ば以降のものは関心を抱くだけの価値があると注記しておく。
 
平均年間生産量:21万本
畑 面積:100ha、平均樹齢:45年、密植度:7500本、平均収量:48hl/ha
育て方:発酵とマセレーションはステンレスと木製のタンクで18~24日間。熟成はオークの新樽で16~20ヶ月。清澄は行うが、濾過はしない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン70%、メルロー25%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド2%
所有者:バロン・ド・ロートシルト(ラフィット)