Chateau Ducru Beaucaillou

シャトー・デュクリュ・ボーカイユ

フランス:ボルドー メドック第二級(サンジュリアン村)
 

高い人気を誇るスーパーセカンドの先駆け

 ラベルに描かれるジロンド河の風景を見晴らす美しい館を持つシャトー・デュクリュ・ボーカイユ。シャトーの名はかつての所有者だったデュクリュの名と、畑一面に広がる美しい小石(ボー・カイユ)に由来しています。
 ボルドーの偉大なワイン産地の中でも、豊かな表情に独特の魅力を持つサンジュリアン。シャトー・デュクリュ・ボーカイユは、そのサンジュリアンらしいワインとして、またバランスがよくとれ、非常に果実味に富み、膨らみのある味わいで、なめらかでエレガンスなワインスタイルが高い人気を誇っています。
 

2018
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
¥33,000
2017
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
¥25,900
2001
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
¥35,200 品切中
1986
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
¥37,800   品切中
1985
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
¥38,900   品切中
La Croix De Beaucaillou
2019
ラ・クロワ・ド・ボーカイユ
¥7,430
2013
ラ・クロワ・ド・ボーカイユ
¥5,400   品切中
Madame de Beaucaillou
2020
マダム・ド・ボーカイユ
¥3,630

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 デュクリュ=ボーカイユーは、木々に囲まれた、ジロンド河がよく見える、絵葉書のように美しい風景の中にある。所有しているのはボリー家で、今は亡きジャン=ユジェンヌ・ボリーはメドックでは数少ない、この地に在住する当主であり、この地方の偉大な名士でもあった。過去30年間、彼はデュクリュ=ボーカイユーの品質を大いに高めたために、1961年、1966年、1970年、1973年、1976年、1978年、1981年、1982年、1985年、1995年、1996年、2000年のヴィンテージはメドックの一級シャトーにも匹敵する出来栄えであった。そのワインへの情熱、高品質へのあくなき追求、注目すべき謙虚さと、ボルドーの大使として頻繁に海外を訪問したことから、彼はこの地域で最も敬愛されるワイン関係者の一人だったのである。数年前に亡くなった後は、グラン=ピュイ=ラコストに住む息子のグザヴィエがデュクリュを全面的に管理していたが、2003年に兄のブリュノに引き継がれた。

 デュクリュ=ボーカイユーのワインの本質はエレガントさと均整、バランス、気品、格、そして独自性である。これはサン=ジュリアンで最も逞しい、最も豊かな、最もフルーティなワインになることはない。もともと頑固なまでに時間をかけて熟成するワインである。デュクリュ=ボーカイユーの最高のヴィンテージのほとんどで、すばらしく調和のとれた果実味と力強さが見られるようになるまでには最低10年はかかるのが通例である。多くの点で偉大なワインなのだが、細部へのこまやかな配慮、最高のブドウ、最高の樽だけが瓶詰めを許される厳しい選別、そして保守的なブドウ栽培方法といったことのすべてが、このワインの成功に大きく寄与している。

 とはいえ、デュクリュ=ボーカイユーの1987年~1990年のヴィンテージには問題があった。私のテイスティング・ノートはすべて、これらのヴィンテージのワインの多くにカビ臭いアロマがあったという事実を反映したものとなっている。おそらく古いシェ(ワイン蔵)の断熱材から発せられた不快なにおいが移ったのだろう。この蔵は完全に建て替えられ、においのもとも断ち切られた。この問題は1988年、1989年、1990年のすべてのワインに影響を与えたわけではなく、現在では根絶されているものだが、こうした不具合もあったため、テイスティング・ノートからはこれらのヴィンテージを除外してある。
 デュクリュ=ボーカイユーはボルドーの二級では最も価格の高いものの一つである。その高価格は、このワインに対する国際的な需要の高さと、高い品質が保たれていることの反映である。
 
~一般的な評価~ デュクリュ=ボーカイユは、1980年の終わりから1990年代初めにかけてのスランプから復活した。この間つくられたワインには、湿った段ボールのにおいで駄目になってしまったものもあった。おそらく熟成用のセラーの1つにTCA(トリクロロアニソール)が混入したためであろう。1994年以降のヴィンテージは、このシャトーでこれまでつくられた最高のワインと肩を並べる出来である。ブラネール(こちらよりはデュクリュ=ボーカイユのほうが優れている)やレオヴィル・ラス・カーズ(総じてデュクリュ・ボーカイユをしのぐ)と同様、オークションで見かけることはめったにない。投資の対象というよりは、ワイン通が好んで買うワインなのである。品質に対するコストパフォーマンスの点では、ボルドーのスーパー・セカンドで最も興味深いワインの1つだ。
 
平均年間生産量:22万本
畑 面積:52ha、平均樹齢:38年、密植度:10000本/ha、平均収量:49hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理されたステンレスとコンクリートのタンクで17~21日間。熟成は新樽50~65%で18~20ヶ月。清澄と、瓶詰め時には軽い濾過を行う。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン70%、メルロー25%、カベルネ・フラン5%