Chateau du Champ des Treilles

シャトー・デュ・シャン・デ・トレイユ

フランス:ボルドー アントル・ドゥ・メーヌ(サント・フォア・ボルドー)

シャトー・デュ・シャン・デ・トレイユは、アントル・ドゥー・メール地区サント・フォア・ボルドーの粘土石灰質の約10haの畑を所有。ジャン・ミッシェル・コム氏が、シャトーを引き継いだ1990年代前半からビオディナミ農法を取り入れており、2004年にエコセールのオーガニック認証を取得しています。
 

 
ビオディナミの認証については、確固たると思いのもと認証をあえて取得していません。ビオディナミ農法の取り組みは作物や地域によって柔軟に適応させるべきとのポリシーをもっており、Demeterなどのビオディナミ認証とは考え方が異なるとのこと。しかし、実際の手法はかなり近く、牛の角を使った堆肥の使用や、必要なハーブの栽培、暦に合わせた作業を取り入れています。
 
また、2020年ヴィンテージから、AOCボルドーではなく、ヴァン・ド・フランスという一番下のアペラシオンとしてワインをリリース。極力「自然な造り」を心掛けている彼らにとって、環境的、マーケティング的、その他商業的にも、組合の考え方とはポリシーが異なるとして格下げを行っており、組合の指定する植密度や収量の規定等の生産条件は、良質なブドウを継続して得ることに繋がらないと考えています。
 
「AOCボルドーを名乗る名乗らないに関わらず、生産しているブドウは愛をこめて育てている」とジャン・ミッシェル・コム氏は語っており、あえて格下げを行うことで自分たちの目指すワイン造りを実践できるようにしています。
 
 
2018
シャトー・デュ・シャン・デ・トレイユ グラン・ヴァン・ルージュ
¥2,480

 
シャトー・デュ・シャン・デ・トレイユは、メドック格付け第五級シャトー・ポンテ・カネの元技術・醸造責任者であるジャン・ミシェル・コム氏が手掛けるワイナリー。シャトーは、妻のコリンヌ氏の祖父母によって1920年代に創業されており、現在は夫妻によって運営されています。ジャン・ミシェル・コム氏は、「ビオディナミの基準を作った」ラルー・ビーズ・ルロワ氏を尊敬しており、1990年代前半にはコリンヌ氏の母が癌で亡くなった原因が化学薬品の影響だったと確信しビオディナミ農法を導入。ボルドーにおけるビオディナミの先駆者的存在になりました。
 
そのシャトー・デュ・シャン・デ・トレイユでの経験と挑戦を元に、1989年から栽培責任者として参画していたシャトー・ポンテ・カネにおいても2004年からビオディナミ農法を実践。化学薬品の悪影響を理由にオーナーのアルフレッド・テスロンにビオディナミへの転換を進言し、その後2006年に左岸のシャトーで初めて畑全体のビオディナミ認証をビオディヴァンから獲得するまでに至ります。
 
ジャン・ミシェル・コム氏は2020年に、31年間在籍したシャトー・ポンテ・カネを去り、現在はシャトー・デュ・シャン・デ・トレイユとコンサルタント業務に専念。ポンテ・カネのルーツとも言えるナチュラルワインを生み出しています。